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とあるSF作家の言うことには「電線に電気を流すと、そこには意識が生じる」んだそうです。
あながち馬鹿にもできんよなあ、と自分なんかは思うわけです。なぜならヒトの意識だって連続する電気信号に過ぎないわけだから。我思う、などと言っていたパスカルおじさんも結局は電気の夢の中で高尚な寝言を言う以上のことはできなかったのであり、そうであることを認めるならば当然、電線の中に思考する何者かがいるかもしれない、という可能性だって認めてやらねばならない。意識を有機体だけの持ち物にしておくのはあまりに人間至上主義的な、了見の狭い物言いのような気がするのです。
0と1の肉体を与えられた彼女は、機械に代替されたその目でいったい何を見ていたのか。
夢見がちな脳みそでそんなことを真剣に考えねばならん日も、そう遠くはないのかもしれません。
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